家で作る超特濃ココア
濃厚なココアを作った。
「凍」というノンフィクションを読んだ。登山家の山野井泰史、妙子夫妻がギャチュンカンという標高7952mのヒマラヤ山脈に属する山に挑戦した。二人にとってあまりにも壮絶だった極限状態の登山を終えた直後、二人の帰りを心配して待っていた仲間から紅茶が提供された。それに対し紅茶では無く実はココアが飲みたかったと山野井さんが胸の内を明かした。確かに紅茶よりもココアが欲しいよなと、そのシーンが妙に印象的で頭から離れなくなった。そんな事を考えているうちに私も無性にココアが飲みたくなった。
そもそもココアとは何を原料とするのか?恥ずかしながら今まで全然意識してこなかった。気になったので調べてみると「ココアとは、カカオマスから一定の割合のココアバターを分離した固形分、またはその粉末ココアパウダーの略称。」〈※出典Wikipedia〉とのこと。
カカオマスという単語も調べると、
「カカオ豆の胚乳を発酵、乾燥、焙煎、磨砕したもの」〈※出展ウィキペディア〉
ということはカカオ〇〇%という商品が出回っているが、あの商品でココアを作る事が出来るのではないかと考えた。
それでも不安だったので先人達のレシピがネット上に掲載されているのではないかと調べてみるがなかなか見当たらない。
俄然創作意欲を掻き立てられた。
それは我先にとヒマラヤ登頂への新ルートの開拓を目指す登山家、、、
には及ばぬまでも、なんとか試行錯誤の末に完成させたいという熱き思いが芽生えた瞬間だった。
ココアで頂点を極めるつもりは無いが身も心も温まる様な濃厚なココアが家庭で楽しめるというのならそれは幸せな事ではないか。
まずどの様な濃厚さを目指すか。そこでターゲットをGO〇IVAかサブウ〇イで提起される濃厚さと絞った。
GO○IVAは承知の通りだがサブ〇ェイのココアは以前飲んでみたらその濃厚さ、口当たりといい、度肝を抜かれた経験があった。
では材料集めに取り掛かりたい。
まず用意したのが脂肪分が多い牛乳だ。「ジャージー牛」や「特濃」といったキャッチコピーでスーパーに陳列されている牛乳がある。
改めて思うが牛乳にも実に多くの種類がある。私が頻繁に購入するものは低脂肪のものだ。口当たりがサラサラとしていて風呂上がりには水の様にゴクゴク飲める。
だが今回は疲れた身体を癒す濃厚なココアなのだ。濃厚さの追求が最優先である。悩んだ末にジャージー牛の牛乳を購入した。それに加えジャージー牛で濃さが足りない場合を想定して生クリームも購入した。
そして忘れてはいけないのがカカオチョコレートである。今回はMeijiさんのチョコレート効果 cacao86%を選んだ。
早速家に帰り調理を開始した。
ジャージー牛の牛乳300ml、生クリーム大さじ3杯フライパンへ入れる。
塩小さじ1杯、砂糖大さじ3杯を加え沸騰させない様に注意しながら火を加えていく。
牛乳が沸騰する直前で日を止めて少し冷ませ、ミキサーに入れる。そこにカカオチョコレートを6個加え、ミキサーにかける。熱いままミキサーにかけると吹き出す恐れがあるので充分注意が必要だ。だが冷まし過ぎるとチョコレートが溶けないので冷まし過ぎには注意して欲しい。
試飲してみた感想は、かなり濃厚なトロミを持ったココアができた。今まで砂糖やミルクが入ったココアの粉末やココアパウダーといったものを使用したり、そこに更に生クリームやバターを加えたりして無理やり濃厚さを出そうとした事があったが、それでも今回カカオチョコレートを使用したときの様な濃厚さとトロミは出せなかった。
しかしこのトロミは生クリームのせいではないのか?そんな疑問が頭を過ぎった。そこでカカオチョコレートと脂肪分の多い牛乳、砂糖、塩という条件はそのままに、生クリームを入れないココアも作成してみた。
結果、生クリームを使用してもしなくてもトロミが出た。やはりこれは高濃度カカオチョコレートの効果という線が濃厚だ。
カカオチョコレートで作ったココアの濃厚さは高濃度カカチョコレート自体の脂肪分の為か、さらに高濃度カカオチョコレートに含まれるカカオバターの凝固作用によるものか、その原因は定かではないがカカオパウダーの粉末で作る時よりもトロトロとした濃厚さを味わえた。
また更にこのトロミと濃厚さはジェラートの様なアイスにも使用できる可能性があるのではないかと思われる。今度はデザート作りにも応用してみたい。
今回のカカオチョコレートを使用したココア作りの検証によりココア作りの選択肢の一つ、開拓に成功したのではないかと思う。今年の秋は山の上で紅葉を見ながらカカオチョコレートで作るココアを楽しみたい。